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事業理念

<なぜ閉鎖性海洋の水処理なのか>
〜無換水の閉鎖性海洋を目指して〜

いま、世界の水産物生産量は約1億6000万トン*1と言われていますが、そのうち漁獲による生産量は9300万トンであり、6700万トンは養殖で補われています。全生産量の40%以上が養殖である上に漁獲量は頭打ちで、年々減少傾向にあります。
日本では約540万トンのうち120万トンが養殖であるとされ、水産資源の豊富な島国日本にあっても20%以上が養殖によって賄われる時代となったのです。また、日本人一人当たりの年間水産物消費量は50kg(1960年)→70kg(2002年)*2と、人口と共に増加しており、飽食の時代の中、食料自給率が半分に満たない日本において、水産物の養殖産業は必要不可欠な位置付けとなっています。

資料*1:2006年度総務省統計局
資料*2:FAOSTAT


養殖といえば海面養殖が主流ですが、これが日本の食糧危機の救世主となるには多くの問題を抱えています。

  • 養殖環境の整った沿岸部に限定された養殖場では生産高に限りがある。
  • 外海と接する養殖場では、台風や赤潮などの被害で壊滅的打撃を受けることもしばしば。
  • 誰もが海で漁業を営む権利がなく、事業化に制限を受ける。
  • 餌や薬品、排泄物による環境汚染が深刻化している。

等々、今以上の発展性に多くの課題を抱えていることも事実です。

海面養殖における餌の過剰投与や抗生物質の投与が海洋汚染を引き起こす。

これに比べて陸上養殖は、海面養殖で生ずるデメリットや制限を考慮に入れず事業化できるのが魅力です。研究意欲のある企業や、目玉産業にすべく一部の自治体が取り込んできた陸上養殖ですが、多くは採算性などの理由で大規模な産業に発展するには至っていません。陸上に隔離して海水魚を飼育することはそれだけ難しいとも言えるのです。  
陸上養殖のネックは何と言っても水環境を維持するためのランニングコストです。大きく分けると設備動力に関る電気コスト、そして水質維持のための換水コストです。井戸のように必要な海水を自由に採取できない陸上養殖において換水は大きく立ちはだかる課題です。これは天然、人工どちらの海水を利用するにせよ、内陸で魚を飼育する時に頭を痛める問題です。  
もし、換水の不要な陸上養殖が実現して普及すれば、本当に日本の食糧事情を救う産業と成り得るかもしれません。誰もがどこでも自由に始められる陸上養殖のネックを取り去れば、大きな産業となり世に広まる可能性は高くなるだろうと考えられます。

工業水処理が専門であったわが社が、水産水処理事業を手掛けるきっかけとなったのは静岡県下田市にある小さな生簀料理店でした。磯釣りが大好きな私(筆者)は、その日に釣った魚をさばいて出してくれる一人親方に惚れ込んで、今や下田への釣行はこの店での食事がセットになっています。  
そんな店の主人は魚を大量に入れた500L水槽の世話に追われており、特に水温の上がる夏場は水が汚れるので、週1日しかない定休日は水槽の水換えに終止していました。生簀料理店は生簀が命、その労を惜しまず長年やってきた主人も、本音は「しんどい」。海水は魚と一緒に無料で手に入っても休日は水槽の世話で休めない日々なのです。水処理技術で何とかできないものか?店の生簀を実験水槽にして研究開発は始まりました。  

閉鎖性海洋の水処理を模索し始めてから5年、特にここ2年間は玉川大学学術研究所および株式会社環境技術センターの力も借りて、研究開発に大きく注力してきました。工業水処理と微生物学の専門知識、および水質分析技術のマッチングにより、我々にとって閉鎖性海洋の無換水は現実味を帯びるものとなりました。特に硝化・脱窒に関る水質変動や微生物叢(群集)の解析に関しては専門家の見解を取り入れ、学術的な裏付けを行い、勘や経験、見た目など主観に頼らないシステム作りを進めて参りました。  
この技術は陸上養殖にとどまらず、一時ストックの蓄養、水族館、観賞魚水槽など閉鎖性の飼育環境であればあらゆる対象に応用できると考えます。逆に言えば、魚を飼育する全ての業界において、換水に関るコストと労力は共通の悩みであるに違いありません。 我々はそれぞれの現場で発生する「水」に関する悩みを解明して、設備全体の改善提案が出来る「水処理のプロ」を目指し、お客様のニーズに合致した技術をご提供したいと考えています。そしてこの技術が世に広く浸透し、海水魚の陸上養殖が日本の大規模産業となって食糧事情を救う一助と成れば素晴らしいと考えています。
「閉鎖性海洋では無換水が当たり前」。魚介類を飼育するすべての人がそんな概念を持てるようなシステム作りを目指します。

代表取締役 辻 洋一

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